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カノジョの葛藤

25歳、社会人、OL 子宮頸ガンークラス3a  そんなカノジョの葛藤

≪始まりはいつも突然に≫

こんなフレーズ、恋の歌でありそうだ。

 

 

でも現実は、恋でなくても起こるんだ

ということを身をもって感じた

 

 

病で。

 

 

始まりは…何だったんだろう。

原因は思い当たらないわけでもないけど

はっきりしたことはわからない。

 

思えば、感じたところもあったけど

仕事が忙しくていつも体調不良だったから詳細を感じ取ることが難しかったのかもしれない。

 

 

勤務先は、一生懸命働くことが善しとされている会社で

彼女も一生懸命に働く一員だった。

 

 

 

入社して3年目。

 

就職活動はリーマンショックという

時代の流れに流されて苦しい時代だったからこそ

せっかく採ってもらったという恩義も感じつつ、

彼女のプライドがだめになるカノジョ自身を救うことを拒否した。

 

 

思えば、就活時代

大手町や丸の内を歩きつつ、カフェに入りつつ眺めていた。

 

ランチタイムが終わるころ、一斉に席を立ついい年した大人たち。

そして彼らは一糸乱れず、会社のフラッパーゲートに吸い込まれていく。

まるで排水溝に流れていくネズミのように。

チューチューとおしゃべりをしながら規則正しく、そして大量に

排水溝に流されていく。

 

批判的横目で見つつも、こんなネズミになりたそい

そう心に感じていた。

 

そして彼女は大都会・東京のネズミになった。

 

 

ネズミになって、少額の現金を手にし

東京での一人暮らしをはじめ、自立した大人になれたことに悦びを感じた。

 

ネズミは寝坊しない、朝は決まった時間に排水溝に吸い込まれる

立派なネズミになった。

あこがれた排水溝生活にも慣れ3年の月日が経った。

 

毎日泥にまみれていたら、自分の感覚が分からなくなっていった。

ネズミの容姿は働くOLだし、定時退社とはいったい何なのからない。

毎日頭が痛かったし、おなかも痛かった。

荷物を片方にかける癖で背骨も曲がった。

だから何だ、今日は体の痛いところが3つしかない

だから今日普通の日だ。

 

着飾るメイクも服も脱ぎ捨てがたい。

今日はいつもの症状に加えて耳の聞こえが悪いから

少し体調が悪いかな。

 

でもネズミは休まない。

同期のネズミに負けないように、先輩ネズミに馬鹿にされないように。

 

そんな日々が続いたからかな、メイクで武装したラブリーなネズミは

気が付かなかった。

 

 

そんな彼女の回想は続く。